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サイトの更新状況を主に、その他おお振りに関する呟きや日常の雑記など。ゲンミツに腐女子注意。
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ようやくCBCでも始まったアニメに狂喜乱舞しつつ(レポは色んなところで書かれているので割愛します)、土日は色々出かけたりしてました。

特記すべきはやはり、ウイング&紘くんの握手会参加券をゲットしたことでしょうよ!
アニメイトでスパコミのパンフ買うついでにDVD予約して、無事参加券確保。
二年前?の「オレらの夏は終わらない」以来のウイングと紘くん。
しかも今回は握手まで出来てしまうとは……!!!ハァハァハァハァ←危険人物です
今から楽しみ!!

その帰り道、二期効果で埼玉サークルさん、特に大地×イッチャンが増えるんじゃないかなーとか考えてたら、なぜかその妄想が大地×栄口にふっ飛んでってしまって、とりあえず書いてみました、と。
大地のキャラが捏造甚だしいですが。
そして栄口は、同い年でも初対面の人とかには敬語だったらいいな、という私の妄想も含まれてますが。

追記からどうぞ。





人気のない駅のホーム、ベンチに座ってオレは何度目かの溜息を零した。
迂闊だった。疲れてたとはいえ、電車で寝過ごしてしまうなんて。
しかも、目が覚めて慌てて降りた駅が、鈍行しか止まらないような小さな駅で、電車が来るまで待ちぼうけ。
ちょっと考えれば、大きい駅まで乗っていった方が得策だってわかっただろうに……寝ぼけてたのかなぁ。
ポケットから携帯を出して時刻を確認する。電車が来る時間まで、まだまだある。
溜息をつきながら、携帯をしまった。
こういう時に限って、音楽プレイヤーもゲームも持ってないなんて。
自分のダメさ加減に、ほんと呆れる。

そんなとき。

向かいのホームからなんだか物凄い視線を感じて、オレはそっちに目をやった。
誰かが、じぃっとこっちを見てる。
高校生らしき制服姿、坊主頭のその人は、身長は花井と同じくらい……か、ちょっと大きいくらいで、格闘技でもやってるみたいに体格が良くて。
……目が合った途端、逃げるようにその場を離れてどこかへ行ってしまったけれど。

なんだったんだろう。
どっかで見たことあるような気もするんだけど……?

頭を捻って考えていると、今度は同じホームの階段の方から足音が聞こえてきて、オレはふとそちらに目をやった。
……さっきの人が、歩いてくる。
しかも足早に、まっすぐに、オレの方に向かって。
ええ、何か用?つかあの人知り合いだっけ?
ぐるぐると思考を巡らしている間にその人はもうオレの目の前に立っていて、長身に日光が遮られてオレの上に影が落ちる。
きりっとした目元にすっと通った鼻筋は涼しげで、同じ男でも見惚れてしまうほど……かっこいい。
「ニシウラのっ、人っスよね!?」
何の前置きもなく、その人は言った。しかもバカデカイ声で。
「え……?」
「セカンド守ってた人っスよね!?ですよねっ!?」
畳み掛けるように言われて、オレはぽかんと、言葉を失った。

……こんなことを聞くってことは、野球関係の人?
さっきの言い方から考えて、シニアの知り合いではなさそうだから……高校になってから会った人だ。
となると、今までに対戦したことのある学校の人、とか……?

あ!

「埼玉の!」
ようやく記憶の糸が繋がったオレが思わず声を上げると、相手の表情がぱっと輝いて、一際大きな声で言った。
「そっス!佐倉っス!!」

そうだ、「佐倉大地」だ。
埼玉の正捕手で四番、驚異的な打率と長打力を誇る選手。
その能力ゆえに、オレたちは最後の一打席を除いて敬遠したけれど、最後の打席で打ったあわやホームランの特大センターフライは今でも脳裏に焼きついてる。

「すっげ、偶然っスね!電車待ちスか?あ、隣スンマセン!!」
矢継ぎ早にそう言って、佐倉君はオレの返事も待たずに隣に腰を下ろす。
なんて言うか……自由な人だな、と思う。田島と似てるけど、ちょっと違う。
「オレは電車で寝過ごしちゃって、戻るところで……佐倉君は?」
「バァちゃんちの畑がこの近くにあるんで、その手伝いで!」
そう言った佐倉君は、ほら、と手に持ったビニール袋の中身を見せてくれた。
その中にはピーマンやパプリカ、ナスなど色とりどりの野菜が溢れ返っていて、ああそういえば埼玉って農業高校だったっけ、と思い出した。
「手伝うと、こうやってお土産くれるんスよ!……あ、良かったら分けます!バァちゃんちの野菜スゲー美味しいんで!!」
「は……?」
オレが何か答えるよりも早く、佐倉君はビニール袋の中の野菜を次々とオレの膝の上に置いていく。
そこにはあっという間に野菜の小さな山ができ、オレは戸惑ってその山と佐倉君の顔を交互に見比べた。
「あ、あの、ちょっと……」
次々に袋から野菜を取り出す佐倉君に遠慮がちに声をかけると、佐倉君は両手にパプリカを持ったままぴたりと動きを止めた。
そしてオレの顔をまじまじと見て……次の瞬間、その顔がさぁっと青くなった。
「ス、スンマセン!もしかして野菜嫌いでしたか!?そうですよね!迷惑ですよね!!」
そう言って「オレの馬鹿ぁぁぁ!!」と頭を抱える佐倉君に、オレは唖然としてしまった。

いや、そりゃ、ちょっと困ったけど、別に嫌いとかじゃないしそんな落ち込むほどのことでもないし……。
小さくなってしまった佐倉君になんと声を掛けたらいいのかと、考えることしばし。そして。

「あの、別に嫌いってわけじゃないですから……」
佐倉君の方をぽんぽんと叩いて、子どもを宥めるようにそう言ったら、佐倉君はほんの少し顔を上げてオレの方を見た。
「野菜は好きだし、嬉しいですけど、でもこれこのままじゃ持って帰れないじゃないですか。袋とか、持ってないし」
オレはそう言葉を続けて膝の上の山を示すと、佐倉君は目を数回瞬かせたあとに「あ、そうか」と呟くようにそう言った。
……そこまで、考えてなかったんだろうな。
なんかその直情さが、どこか可愛くもある……気がする。
「だから、気持ちだけ貰っておきます。ありがとう」
にこりと笑ってそう続けたら、佐倉君は身を起こしじーっとオレの顔を見て……そしてさっきまで真っ青だった顔が、今度はみるみる真っ赤になっていって。
「……可愛い、っスね……」
ぽつりと、そう言った。

は?
……可愛い、って?オレが!?

「あ、イヤ、今のナシ!今のナシで!!」
あっけにとられるオレの前で、佐倉君はぶんぶんと顔を横に振り、そう言った。
そしてオレの膝の上の野菜をがさがさと袋に戻しながら言葉を続ける。
「あ、あの、良かったらメアドとか、交換してくれませんか!?」
「え?……あ、別に、良いですけど」
「マジっスか!!」
今度は両手にナスを持って、佐倉君は大声を上げた。
そしてそのナスを袋に入れると、今度はポケットから携帯を取り出して、オレもそれに倣って携帯を手に取り、尋ねた。
「赤外線、送ればいいですか?」
「ハイッ!お願いします!!」
そう言って佐倉君が差し出した携帯に、自分の携帯を向かい合わせて赤外線送信ボタンを押す。
【送信完了しました】と表示が出たその時に、ホームのスピーカーから電車の到着を予告する放送が流れた。
「あ、電車来ちゃった」
「オレからメール送ります!」
佐倉君はそう言うと、オレの膝の上に残っていた最後の一つのピーマンを取り上げ、にかっと笑って言った。
「次に会うときは、野菜ちゃんと袋に入れて持ってきますから!!」
……そういう問題じゃないだろ、って思わなくもないけれど。
なんでだろ、憎めない人だなぁ。
「楽しみにしてます」
くすりと笑ってオレがそう答えたとき、電車がホームに滑り込んできた。
オレは佐倉君にお辞儀をすると、荷物を持って電車に乗り込む。
座席に座って窓の外を見れば、佐倉君がまるで先輩にでもするように深く頭を下げてくれた。
……あれ、そういえばオレが同学年って、知らないのかな。
ゆっくりと電車が動き出し、頭を上げた佐倉君の明るい笑顔が遠ざかっていく。
ふぅ、と息を吐いて深く座席にもたれ掛かると、ポケットの中の携帯が震えた。
取り出して画面を見れば見知らぬメールアドレスが表示されていて、ああ佐倉君だな、ってピンと来た。
メールを開けば、本文はたったの一行。

【スンマセン、名前聞くの忘れてました!!】

まだ出会ってほんの少ししか経っていないのに、その文面が妙に佐倉君らしい気がしてオレは思わず噴き出した。
そして、早速そのメールに返信を打つ。

【栄口勇人です。佐倉君と同じ、一年生です】

送信ボタンを押して、さて佐倉君はどんな顔をするだろうと考えた。
同学年というところに驚くだろうか……それとも、もしかしたら「名前が読めない!」って悩んでたりして。

返事が待ち遠しかった。

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